土壁ネットワーク 土壁実大面内せん断試験 半柱、畳寄せ・廻り縁による荒壁欠損の影響

土壁ネットワーク 土壁実大面内せん断試験 半柱、畳寄せ・廻り縁による荒壁欠損の影響

試験の概要について

 

 

W 半柱、間柱、畳寄せ・廻り縁による荒壁欠損の影響(試験体F,G)

 

 

 

 

 

 

試験の目的

 

 

土壁の内壁を1間壁として外壁の仕上げを板張り等の大壁仕上げとする場合には、「間柱」 および「半柱」が柱間に取り付けられるが、その間柱および半柱によって荒壁は欠損をおこすこととなる。また、和室の場合は「畳寄せ」や「廻り縁」が付くことで、大直し壁および中塗り壁が構造材まで塗り付けられることはない。
このような壁の欠損による耐力への影響の確認を行った。
・ 半柱の試験体は、半柱の柱寸法45×105mm(試験体F1)と半柱の柱寸法 75×105mm(試 験体F-2)の2種類を製作した。
・ 試験体F-2は、水平貫を貫通させ、半柱の位置には寒冷紗にて乾燥収縮によるひび割れの抑制を行った。

 

 

<試験体の仕様>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<試験体Fの半柱断面図>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

試験体F1:1間壁、半柱(45×105mm)、間柱、中塗り・片面(塗厚10mm)

 

 

○試験体D(1間壁、中塗厚10mm)と比較すると最大耐力で0.87倍,初期剛性で0.92倍,面積で0.61倍となった。
○最大耐力の低下要因としては、間柱および半柱により裏返し塗り面が4分割(写真1)され、壁土の乾燥収縮に伴う部材と壁土の隙間が生じる箇所が多くなり、その部分が躯体に接触するまでは壁土圧縮抵抗が働かなかったためと推測される。また、土壁を「重ね梁」と見立てた場合にその曲げ剛性に及ぼす影響と同様の現象が考えられる。

 

 

▲写真1:荒壁面

 

 

 

試験体F2:1間壁、半柱・貫が貫通(75×105mm)、間柱、中塗り・片面(塗厚10mm)

 

 

○半柱寸法が大きくなることにより半柱上の壁厚が12mm程度(右項上図)となる。ひび割れ抑制のため半柱の面に寒冷紗を施工しているが、1/200radで半柱に沿ったひび割れが発生し(写真2)耐力が一旦増加しなくなった。最大耐力は「試験体F-1」の0.88倍と低下し、このことが最大耐力に影響していることが理解できる。
○最大耐力到達後の荷重低下は緩やかであり、吸収エネルギー量を示す面積は「試験体D」と同等で、「試験体F-1」の1.7倍となっている。これは貫を通し貫にしていることによる貫の曲げ抵抗の効果であると思われる。

 

 

▲写真2:中塗面

 

 

 

試験体G:1間壁、廻り縁、畳寄せ、中塗り・片面(塗厚9mm、廻り縁、畳寄せまで塗り付け)

 

 

 

 

 

○「試験体D」と比較して、最大耐力は0.85倍、初期剛性は0.84倍、面積は0.89倍となり、「廻り縁」「畳寄せ」を取り付けることにより性能が低下することが確認できる。

 

 

 

 

●半柱、間柱により最大耐力は低下するが、半柱を通し貫にすることで吸収エネルギー量は低下しない。 ただし、半柱により壁塗り厚が薄くなる箇所の塗り厚確保もしくは割れ防止方法の再考が必要である。
●廻り縁、畳寄せにより、最大耐力、初期剛性、エネルギー吸収能力は約15%低下する。

 

 

 

〈試験結果/ 半柱、間柱、畳寄せ・廻り縁による荒壁の欠損の影響〉

 

 

 

 

〈荷重P-真のせん断変形角 γ0曲線/ 半柱、間柱、畳寄せ・廻り縁による荒壁の欠損の影響〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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