土壁ネットワーク 告示型試験体で確認された問題点ー試験結果から

土壁ネットワーク 告示型試験体で確認された問題点ー試験結果から

試験の概要について

 

 

 

■告示型試験体で確認された問題点

 

 

 

 

 

間渡し竹の径

 

 

○タテ間渡し竹(丸竹)を末口φ1.2cm以上(告示仕様)にした場合、1本の竹で施工するなら元においてはφ1.8cmを超え、間渡し竹部分が割竹面より外部に飛び出す形となる。これが荒壁の施工において問題となる。
○柱間隔が3尺の場合、ヨコ間渡し竹の径が太くなると曲げることができず施工は不可能となる。差込穴に入るように末口φ1.2cm以上の丸竹を使用するなら、ヤリ送りによる差し込みとなり、間渡し竹のダボ的効果は期待できなくなる。

 

 

 

 

▲ 間渡し竹の径が太いと曲げて差込穴の奥まで入れることができない。

 

 

▲ 間渡し竹部分等塗り厚が薄い箇所は壊れやすくなる

 

 

 

 

▲試験体A(告示型)は間渡し竹の元は18mm近くなる

 

 

▲ 間渡し竹間7本では指が入りにくく施工が困難

 

 

 

 

▲ 試験体A(告示型)は割竹の間は約15mm

 

▲ 試験体B(地域型) は割竹の間は約37mm

 

 

 

 

▲ 試験体A(告示型)は荒壁が裏側まではみ出しにくい

 

▲ 試験体B(地域型)は荒壁が裏まではみ出す

 

 

 

 

 

割竹幅と割竹間隔

 

 

(香川県内では、割竹は専用の割道具により割幅7分・約2.1cmで製作されているが、この製造方法で割竹幅2.0cm以上を厳密にまもることは困難である)
○割竹幅2.0cm以上を厳密にまもることによる耐力への影響は考えにくい。
○一般に流通しない割竹幅を使わなければならない仕様の厳密な運用は現実的でない。
(告示に示された割竹間隔4.5cm以内を厳密に適用した場合、100角柱の1間・1820mm/関東間で、間渡し竹間の本数は7本となり、割竹の間の隙間は1.5cm程になる)
○施工手間は、告示仕様では割竹間に指が入りにくいなど、地域仕様(間渡し竹間の本数が5本)に比べて1.5倍以上必要となる。

 

 

荒壁施工

 

 

(間渡し竹小径1.2cm以上を厳密にまもることによる問題)
○荒壁(裏返し塗り)として必要なかぶり厚を確保するため塗厚が厚くなり、建物総重量の増加を招き、建物耐震性への影響が懸念される。
○タテ間渡し竹部分の塗り厚が周辺より薄くなり、乾燥時には土の痩せにより間渡し竹の箇所が突起し、その箇所の壁土は割れやすくなる。外力を受けた際に壁面破壊の原因になりやすく、建物耐震への影響が懸念される。
(割竹間隔が狭くなりすぎることによる問題)
○荒壁土が裏側まではみ出しにくく、土壁の接着面に影響し、土壁の強度への影響が考えられる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<参考資料>
昭和56年6月1日 建設省告示第1100号
建築基準法施行令第46条第4項表1(一)項から(七)項までに掲げる軸組と同等以上の耐力を有する軸組及び当該軸組に係る倍率の数値を定める件
(平成15年12月9日 国土交通省告示第1543号による改正)

 

 

 

 

 

〈以下告示文〉
五 厚さ一・五センチメートル以上で幅十センチメートル以上の木材を用いて九十一センチメートル以下の間隔で、柱との仕口にくさびを設けた貫(当該貫に継手を設ける場合には、その継手を構造耐力上支障が生じないように柱の部分に設けたものに限る。)を三本以上設け、幅二センチメートル以上の割竹又は小径一・二センチメートル以上の丸竹を用いた間渡し竹を柱及びはり、けた、土台その他の横架材に差し込み、かつ、当該貫にくぎ(JISA五五〇八?一九九二(鉄丸くぎ)に定めるSFN二五又はこれと同等以上の品質を有するものに限る。)で打ち付け、幅二センチメートル以上の割竹を四・五センチメートル以下の間隔とした小舞竹(柱及びはり、けた、土台その他の横架材との間に著しい隙間がない長さとしたものに限る。以下同じ。)又はこれと同等以上の耐力を有する小舞竹(土と一体の壁を構成する上で支障のないものに限る。)を当該間渡し竹にシュロ縄、パーム縄、わら縄その他これらに類するもので締め付け、荒壁土(百リットルの荒木田土、荒土、京土その他これらに類する粘性のある砂質粘土に対して〇・四キログラム以上〇・六キログラム以下のわらすさを混合したもの又はこれと同等以上の強度を有するものに限る。)を両面から全面に塗り、かつ、中塗り土(百リットルの荒木田土、荒土、京土その他これらに類する粘性のある砂質粘土に対して六十リットル以上百五十リットル以下の砂及び〇・四キログラム以上〇・八キログラムのもみすさを混合したもの又はこれと同等以上の強度を有するものに限る。)を別表第三(い)欄に掲げる方法で全面に塗り、土塗壁の塗り厚(柱の外側にある部分の厚さを除く。)を同表(ろ)欄に掲げる数値とした土塗壁を設けた軸組

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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